「私のお仕事」




こんばんは、IDデザイナーのyasu♪です。



最近というか、昔からなんですがよく聞かれます。


「IDデザイナーって何?」




ハイ、皆さんご存じないでしょうね。。












まあ、あまり表舞台に登場する事がない職業ですし、登場しても問題があるので、正直・・







認知度低いです。



デザイナーと聞くと多くの方は

「ファッション」

「広告」(グラフィック)

「Web」

「インテリア」




これらを考えるみたいですが





私の場合は「インダストリアル」


つまりは「工業」です。

日本名では「工業デザイナー」ってなります。


「えっ、工業ってデザインするの?」と思われる方がいるかもしれませんのでここで補足。



皆さんの普段使われているもの、大体が工業製品ですよね。

今こうして向かっているパソコンも冷たいビールを冷やしている冷蔵庫も、通勤に使う自動車や電車。

もしくはメールをする携帯電話にスナップ写真を撮るカメラ、冬のスポーツスキーで使うスキー板。





みーーんな、工業製品。






決して工芸家の方や農家の方が手作りしているのでは無くって工場で生産されていますね。


その、工場などで大量生産される工業製品をデザインしているのがIDデザイナーです。


他の言い方では「プロダクト・デザイナー」や「商品デザイナー」とも呼びますが広義にはみんな同じ♪



さて、大体の概要はお解かりいただけたでしょうか?

次にその具体的な仕事内容を説明します。

これは、所属する企業や事務所によって若干の差異がありますが、一通りって形でご理解ください(^^)


お仕事その一
マーケティング調査 我々は商品の開発の初期段階から参入して、次期商品となるもの考える
のがお仕事です。しーかし、商品というのは作るだけでは意味が無い。
お客様に買っていただいて満足してもらう。そしてまた次の商品に対しての
期待を持ってもらうのが本当の仕事。
そのためには何をする必要があるか、今までの商品はどんな評価か、お客
様は何を期待しているのか、今後の市場の方向性はどうなっていくか等を
調査、分析していく段階がこのマーケティング。
これが間違っていると、この後の仕事はぜーーーんぶひっくり返っちゃいます。

多くは下に掲載しているような表やグラフと文章で表現されています。

(この表は適当な例題ですので内容は無視してください)
お仕事その二
コンセプト
メイキング
マーケティングの調査結果に対して独自の分析を済ませた後は大体の市場の
方向性が見えてきます。つまりは、表面的にはまだ出ていないがお客様の意
識のそこにあって求められている事ですね。
これに対して次期商品はどう対応していくのか?それを概念的に第三者にも伝
える事が出来るようにするのが「コンセプト・メイキング」

簡単に言うと
「こんなの、いいだろ〜」って言い切っちゃうんです。
その商品のイメージや使われ方を連想できる「言葉」「ビジュアル」を使って他者
に伝えます。みなさんもカタログなんかの最初のページで見たこと無いかな?

この段階ではその商品がどんなお客様に、どんな環境で、どんな使われ方をして
もらうかを提案しますが、商品の具体的姿はまだ見えてはいませんね。


(これも適当な参考画像です)
お仕事その三
コンセプトスケッチ
イメージ・スケッチ
アイデアスケッチ
この辺りから皆さんもご存知のデザインっぽいお仕事になります。
そう、「スケッチ」と呼ばれる作業、今までデーターをもとにした概念や言葉の中
でいろいろと作業を進めてきましたが、「じゃあ、それってどんなのよ?」と言われ
ると形にして見せなくてはなりません。
しかし、考えてみてください、最終的な商品を一つ作り出すのには小さな家電製品
でも数億円に近い投資が必要になるのにいきなら「ハイ、コレだ!」では失敗に
気付いた時はすでに後の祭り。
じっくりと構想を練った上で色々な部署の方達と意見交換をしながら決めていく必
要があります。
そのための段階がこのスケッチ群なんです。
コンセプト・スケッチでは上で出たコンセプトを元にして最終的に到達すべき姿を
イメージリーダーとするため紙の上(最近はパソでもありますが)に表現して行き
それから細分化されたイメージ・スケッチやアイデア・スケッチでどんどん具体的な
形状を模索していきます。(沢山のスケッチを描くんですよ〜)

(参考画像)
お仕事その四
デザイン設計 各種スケッチ段階で切磋琢磨し悩んで悩んで大体の形が固まって、盛り込むアイ
デアも決まってきたました。
でも、商品ってのはオブジェじゃないですよね、機能があって使ったり、場合によっ
ては修理や調整も必要ですし、工場で作るのにも「作り易いもの」でないと、とんで
もない価格になっちゃいます。
いやですよね、ドアの開かない車や500万もするヘアドライヤーなんて・・・
そのために出てきたデザインを実用上ふさわしく、また生産上・機能上良い方向に
設計していく行程がこの「デザイン設計」です。

手法としてはCADつまりComputer Aided Designコンピュータ支援設計の事です。
現在は3次元CADが主流で下図のような感じで仕事を進めていっています。

(当社で使用している3DソフトPro/ENGINEER 参考画像)
お仕事その五
レンダリング
モデリング
モック・アップ
3次元設計で現実的なものとなったデザインをさらに現実感を持たせてプレゼンテー
ションをする為に描くのがこのレンダリング。
これまでのスケッチよりも遥かに精密に仕上げ、言うなればデザインの清書って所
になります。
近年では上の3DCADによるレンダリングで手描きをする機会が随分と減っています
が、それでも雰囲気としては無味乾燥な3Dよりも手描き独自の質感は捨て難いもの
があります。
そして、レンダリングと同様に3Dが普及して作る必要性が減って来ているのがこの
モデリング。
本来はある程度デザイン案が出てきた時点でモデリングをする事で視覚的確認や
ボリュームの確認をしていたのですが、現在では最終チェックてきな意味合いで作成
する事が増えています。

モック・アップはゲンブツと同じ大きさの1分の1サイズで現物と同じ色彩に創り上げ
た模型ですが、動きません(^^;
東京モーターショーなんかで展示されているコンセプトカーのいくつかはこれを使用
していますよ♪
お仕事その六
カラー・プラン
その他
さあ、形は決まっていよいよ作業も大詰めです。
ここまで来るのに物にもよりますが半年から2年の期間が流れているんです。
この時点では販売戦略もそこそこ出来上がり後はバリエーション的な展開と、細部
を決めていくことになります。
その中で、カラープランなんかもあったりする。
最初は商品のデザインに最もマッチしたカラーリングで進んできたデザインも実際に
販売する上では色々な条件が加味されてくるので、その条件に適合させていく必要
があります。
皆さんも同じ商品だけどどの色にしようかなんて悩んだりするでしょ?
「ビビットな赤もいいけど、シルバーも無難で捨て難いな・・」なんて悩むのも楽しい
ですね。


でも、仕事だとすごく苦しいの。。。。。


っとまあ。。

こうしてデザインだけでもこれだけ色々な工程を経て
皆さんの今手元にあるのが使われている商品達です。


あくまでザッとした流れで説明させていただきましたまだまだ細かなところもありますが




私の仕事、ご理解いただけましたか?











本日の「私のお仕事」を終えさせていただきます。



それではお手元の商品を大切に♪



なお、今回使用しました画像は当社製品とは一切関係のない参考画像です。
本来ならば自分のやった仕事をお見せすべきですが、それをすると・・・・

業務上の守秘義務違反で



私はクビになっちゃいます(TT)